~思考の輝きと哲学の探求~ 元気が出る本 6選

様々なクリエイターがセレクトする元気が出る本ですが、私も一人のクリエイーターとしてセレクトして頂いた本の内容が気になり読んでいます。
いろいろな本を読み進めるうちに”本の共通点”について気が付きました。
創造する者同士が抱く共通点があることも納得できます。

紹介するのは【思考の輝きと哲学の探求】に関連する本です。

【福永信の星座の詩の素晴らしさ】
今、その魅力を味わいたい一冊です。
福永信氏の文学作品はまさに傑作で、不明瞭と思われる印象は一掃され、作品は気楽に楽しめることができます。
この小説は日常の風景を詩のような言葉で綴り、新しい視点を読者に提供し、読点のない文章は高尚な言葉で溢れているのではなく、心に響く素晴らしいお話が広がっています。だからこそ、多くの人が楽しめるのです。
まるで惑星の小さな輝きのようで、新しい文学の扉を開いてみましょう。

星座から見た地球
出版社 新潮社
著者 福永 信

オススメする人
金氏徹平様

オススメするコメント
すべてを物のように扱う彫刻のような小説。
なのに泣ける。
狂気も感じる。

【複雑な思想をシンプルに理解】
ラカン理論、それは精神医学や思想に興味を持つ人々にとって重要なテーマですが、その複雑さで知られており、初めて聞く人にとっては難解なものとして知られています。
解説書を読むことで理解を深めることはできますが、その解説書自体が難解な場合も多いのが現実です。
そこで、ラカン理論の専門家である斎藤氏のわかりやすいラカン入門が登場します。
ラカン理論を平易な言葉で説明し、読者の理解を助けてくれ、診断、治療にどれだけ有用かは議論の余地がありますが、その思想的枠組みは広く社会や文化に関する問題や人間の本質について考える際に非常に価値のあるものです。
ラカン思想と彼自身の位置づけが明確に理解でき、それまで難解だと思われていた他の解説書もより明確に理解できるようになり、ラカン理論を学ぶ敷居を大幅に下げ、多くの人々にとってラカンが身近に感じられるようにしています。
ラカンの思想的魅力を探求する一歩となり、ラカン理論の複雑な世界が少しでも明確になることで、新たな知識と洞察を得ることができるでしょう。

生き延びるためのラカン
出版社 ちくま文庫
著者 斎藤 環

オススメする人
松本実久様(人形造形作家)

オススメするコメント
難解とされているラカン理論をわかりやすく解説した本です。
人間の複雑な感情の仕組みがほんの少しだけ理解できたような気がして、心が軽くなります。

オススメ人の情報
WEB
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instagram
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【現代思想の迷宮】
この本を読みたくなる理由は、まさに現代の思想と私たちの内面を巧みに結びつけた魅力的な物語にあります。
この作品は「悪」というテーマを通じて、私たちの内なる葛藤や社会的課題に真摯に向き合い、パラレル・ワールドや現代思想に触れる要素が、物語に深みを与えています。
読む者を別次元の探求へ誘い、日常の中で抱える言葉では言い表せない感情や経験と向き合う手助けをしてくれます。
そして、「悪」との戦いが物語の核心をなす瞬間に心を奪われることでしょう。
この物語は「悪」を既成の秩序を揺るがす力として描き、その力が言葉の外部から戻ってきて、「こうではなかった世界」を想像し、言葉にできない感情や経験を言葉にしようとする試み。
これが、「悪」と戦う真の意味であり、物語の深遠さを示し、あなたを魅了し、心を奮い立たせることでしょう。

「悪」と戦う
出版社 河出文庫
著者 高橋 源一郎

オススメする人
VOQ様

オススメするコメント
読みやすい言葉とリズム、難解なテーマが頭の中でグルグルします。
答えは見つけられないけど、読むたびに何かを見つけられるようなそんな本です。

オススメ人の情報
WEB
http://www.organ-o-rounge.org/voq/

【詩と哲学の宇宙】
稲垣忠穂のペンから誕生した、まばゆい星々のような文学的傑作で、日常が非凡な冒険へと変わり、魔法のような物語が広がります。
この魅惑的な物語は、日常を詩のように美しく描き、心の温もりを感じさせ、感動的な足跡を残し、あなたの経験を深化させ、人生の詩のエッセンスを捉えています。
稲垣氏の多彩な構成は彼の天才的な才能を示しており、読む価値があり、形而上学的な芸術論に触れ、哲学的な思考を広げ、過去と未来を繋ぎ、宇宙の美と神秘を感じさせてくれます。
この本は、想像力を刺激し、存在の深遠な問いに思いを馳せる贈り物であり、不朽の宝物を手にすることでしょう。

ちくま日本文学(016) 稲垣足穂
出版社 筑摩書房
著者 稲垣足穂

オススメする人
スミダヒロミ様(版画家)

オススメするコメント
学生の時友人にすすめられていっぺんに魅了されてしまいましたそれからずっと本棚にあります。

オススメ人の情報
WEB
http://ww82.tiki.ne.jp/~tobuhabakuku/

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https://twitter.com/tobuhabakuku

【断片的な美のアドルノのエッセイ】
アドルノの形式としてのエッセイは、言葉が散文を超え、不朽のエッセイ集が、20世紀の文学の風景を熱く描き出し、読者に感動の冒険を約束します。
アドルノの言葉は生き生きとした思考の断片であり、従来の境界を打ち砕く美を宿し、現代の複雑さを映し出し、人間の深い洞察を提供し、世界全体の一部として捉えます。
20世紀文学批評の傑作で、アドルノの知的才覚と批評的言説の粋を示し、この一冊で文学と批評芸術の無限の可能性に触れ、日常を超越した言葉の魔法に魅了されることでしょう。
言葉の力が世界の捉え方を変え、知的な刺激と文学的な輝きを提供し、批評が芸術と文学が新たな次元へ。

文学ノート
出版社 イザラ書房
著者 三光 長治、Th.W.アドルノ (著)

オススメする人
秋山伸様(グラフィック・デザイナー、ブック・メイカー、パブリッシャー)

オススメするコメント
学生のとき「形式としてのエセー」を読んで得た、近代的理性に対する根本的な批判たる〈非同一性〉を志向することへの確信があるからこそ、全個体で異なったり、内容の序列の固定を回避するような、今の自分のブック・デザインがあると思う。
今読み直しても、その一行一行に勇気づけられる思いがする。

オススメ人の情報
WEB
http://c-ab-a.net/

http://editionnord.com/

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https://twitter.com/shinakiyama_de

【宮沢賢治の言葉の冒険】
単なる物語ではなく、人間の精神の核心に触れ、心に響く教訓と深遠な旅を紡ぎ出し、読者を感動の世界へと誘います。
自己犠牲と試練に立ち向かう勇気を鼓舞する物語で、美しく生きるための貴重な教訓を提供し、意義ある人生のガイドであることに気付かせてくれるでしょう。
宮沢賢治の文章は無限のイマジネーションの世界へと誘い、スリリングな冒険に連れて行ってくれ、彼の多才さを物語り、人生の深さと可能性について考えさせます。
宮沢賢治のストーリーテリングは新風を吹き込み、次の読書の冒険を期待させ、彼の言葉とアイディアはインスピレーションの源泉で、予想を裏切り、心地よい驚きをもたらすことでしょう。

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『中古』ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記 (日本の文学)

ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
出版社 金の星社
著者 宮沢 賢治、ますむら ひろし (イラスト)

オススメする人
土屋萌児様(アニメーター)

オススメするコメント
宮沢賢治により「グスコーブドリの伝記」の最初期形として書かれたバケモノ世界の物語。
初期衝動と、奇妙さと、ユーモアが炸裂していて異世界を本当に垣間見ているかのような気分にさせられる映像的な文章。
一部原稿が紛失していて最後の方は覚え書きのみで未完で終っているが、ラストは読者の想像力で補うしかないない所もこの物語が魅力的であり続けている理由の一つかもしれない。

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