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クボ桂汰様(イラストレーター)
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枯れはてた井戸のように虚無的な目をした少年”栓ぬき”に向かって、
双子のひとりであるタットルはこう言います。
「そしてね、どうしようもなくでたらめな、ひどすぎるような出来事にあったときは、
いいか栓ぬき、水を見るんだ。
小川のきらめくせせらぎ、窓をたたく雨粒、
噴水のまきあげる光の粒を見るんだ。
ぼくはまちがいなく、そこにいるからね」
「もし、泣いている誰かが、きみの前にいたとすれば、
ぼくは、そのひとの目からきみを見ている。
かすかに光る水滴のなかで、
きみがその相手になにか話しかけるのを、
じっと待っている」
もう一人の自分ともいうべき双子の兄弟・テンペルを失ったタットル。
壮絶な闇に引き込まれ、虚無の世界に飲み込まれていきます。
絶望的なほどの喪失感と、そこからの蘇生。
それでも生きていこうと決めた者の覚悟が、心を打ちます。
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WEB
http://www.geocities.jp/kubokeitata/
著者などの情報
いしいしんじ
更新日
04/08/2015