エブリデ

3268.牛たちの知られざる生活(アダチプレス)

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こちらはイギリスでカイツ・ネスト・ファームという牧場を営むヤングが牛たちの生態を描いたエッセイ集。
牛がとても知的でかわいい生き物だという様々なエピソードに元気が出る。
筆者の「うちの牧場だからこそこんなにも牛がイキイキしているんですよ」と言わんばかりの書き方が少し気になりはするのだが、きっとどの牧場の牛にも同じような個性があるのだろうと思う。
牛の生活、考え方に少しでも近づける一冊。
僕も将来は都会の真ん中で牛を飼いたいです。

3269.Showa Style 再編・建築写真文庫(彰国社)

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建築家である北尾春道が昭和28~45年までに彰国社から刊行していた商店建築の写真集である建築写真文庫を編集者の都築響一が編纂した一冊。
私も当時の建築写真文庫を集めているのだが、中古取引の価格が非常な高額でなかなかすべてには手が出ない。
また古書から出るハウスダストが理由で妻から自宅に置くことを禁じられている(実家に置いている)。
しかしこれなら自宅でも堂々と読むことができる。
昭和の商店建築はそれ自体で作り込まれており見どころ、そしてロマンがある。
決して懐古主義ではないが、昔と比べればいまの街に溢れるプラスチック製の店舗設備などには辟易してしまう。

残念なのは原著にあったそれぞれの店舗の詳細な説明が省かれており、ただの写真集のようになってしまっている点。
しかし近年流行りの薄っぺらいレトロ(意匠)ブームの層にはこれくらいで良いのかもしれない。
それを度外視しても非常に意義のある一冊といえる。
好きなページは私の祖父母が行きつけだったバー「ゼロ」(p303)、551の蓬莱とも縁がある(創業者の一人が独立して開いた)大阪ミナミにあったクラシック喫茶「ウィーン」(p117)。
どの店舗も心をぶん殴られるような感動が味わえる。

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