柴田 映司

162.多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者(日経BP社)


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「ミスター多面体」とも言われ、その研究に人生を捧げた偉大な幾何学者、ドナルド・コセクターの生涯を綴る本。
氏の発明したコセクター群とは「万華鏡を覗いたときにオブジェクトの像がいくつ見えるかを表す代数」を表すといい、この対称性の概念は物理、宇宙、生物、経済などの他分野の研究にも多く使用されているとの事。
コセクター氏を崇拝したバックミンスター・フラーやエッシャーはコセクターの著書から多くのヒントを得たという。
その他アインシュタインやウィトゲンシュタイン、CGアニメーションスタジオのピクサーなどとの関係もとても興味深いものがあった。

163.ルイス・キャロル解読 不思議の国の数学ばなし(日本評論社)


オススメするコメント
出版後130年程経った現在も多くの人々に読まれ、影響を与え続けているこの物語の名は「アリス」。
古い順から「地下の国のアリス」「不思議の国のアリス」そして「鏡の国のアリス」の三冊がいわゆる「アリス」シリーズである。
作者のルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン)は、数学教師の傍ら、牧師、写真家としても活動し、アリスの他にも多くの著作を残した人物である。
その中には数学に関する話題も含む日々の活動の影響が見え隠れし、キャラクター達の「ノンセンス」(語呂合わせ)な言葉の中に、物語を読む上で多くのヒントがあると言われている。
それらを解説したのが本書であり、「不思議の国」への想像を膨らませるのはとても楽しい。

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http://www.tekodesign.com