2360.落葉 短編集(新潮社)
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書中の一つ「大きな翼を持った老人」は、高1の夏以来の付合い。
いわゆるラファエロが描いてみせたような天使像に、内心どうしても解せなかった私はこの天使に安堵を覚えた。
見知らぬ人に「怯えたままでもいいんだよ」と言われたような気になる。
新装は滋味深く洒落た逸品。ぜひ手にとっていただきたい。
2361.Un jour encore(Un jour encore)
オススメするコメント
持病の症状と苦闘する羽目になり、思考力も低下するため読書も減った。
本書は奇しくも何の力も出ないときに開くようになった。
邦題「いつの日か」は最後まで木にしがみついている種のお話。
セーターや傘、スーツケースまで持たされた種に頬が緩む。
ジョルダーノ氏の繊細で美しい線画が優しく寄り添う。
2362.ムーミン谷の冬(講談社)
オススメするコメント
幼少時、近所の書店には本書だけが残っていて購入。
個性ある登場人物とムーミンの関わりがモノクロの挿絵とともに織り成され、少々ダークサイドな展開に度肝を抜かれて以来の大ファンである。
ヤンソン女史の挿絵も、本書では円熟味が醸し出されており、パラパラと眺めているだけでも心が解きほぐれる。
2762.あるひぼくはかみさまと(講談社)
オススメするコメント
わかものがかみさまと出会い、ひとときを過ごす話だが、まず目に飛び込んでくる、蛍光色のオレンジ色使いが、いい。
ちょっととぼけたようなこのかみさまと、不思議に心地よく目に響く。
互いの違いをさらりと受け止めて話しこめるなんて、なんてすてきなことだろう。
ひとつひとつの言葉と絵が、読後もあたまと心にしみいる一冊。
オススメ人の情報
WEB
https://maya-miyama.tumblr.com/
http://www.illusalon.com/Artists/ArtistInfo/cd7507983a414869a4fd5fc641ee6625