ショウジョノトモ

1761.アラベスク(KADOKAWA)

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アラベスク 第1部 <完全版1>(1) [ 山岸涼子 ]
アラベスク 第1部 <完全版2>(2) [ 山岸涼子 ]
アラベスク 第2部 <完全版3>(1) [ 山岸涼子 ]
アラベスク 第2部 <完全版4>(2) [ 山岸涼子 ]

オススメするコメント
忘れもしない小学生のある日。母が「今日は好きな物なんでも買ってあげる!」と姉と三人でかけ、アラベスクの上下刊を買ってもらった。なんと、母は父との喧嘩で家出するつもりで大判振る舞いをしたらしく、漫画にかぶりつく私の前で大げんか!家を飛び出した母を追いかける父と姉を無視し、ひたすらアラベスクを読み続けていた私。
そこまで私をひきつけたこの漫画は、主人公の境遇が似ていたからか?

バレエ教師の母に、優等生の姉と比べられ「ほめられずに育った」主人公ノンナ(バレリーナ)。その彼女の隠れた才能に気付き、支え成長させる ユーリ・ミロノフ(バレエダンサーでありノンナの教師)。どんなに賞を受賞しても自分が信じられず、精神の弱さからすぐスランプに陥るも結果乗り切っていく姿。(ビジュアルでは2巻あたりから少女漫画特有の甘さがなく、アールデコを感じさせる線や70年代のデビッドボウイを彷彿させる温度が低いキャラクター描写が美しい)

このように親子のスキンシップ、育て方の弊害がその後の子供の弱さを生むという「アダルトチルドレン」は私自身の事でもあり、又私の創作活動のテーマになっているため、大人になった今はあの頃の私とは違う部分でも私を力付けてくれる作品なのです。
「そんなに自分が信じられなければ僕を信じればいい」と言うユーリ・ミロノフの台詞を、今年描いた絵のタイトルにしました。強くなる呪文は、人間でも本でも自分が信じられる物なら効き目があるのです。

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