892.私たちが好きだったこと(新潮文庫)

オススメする人
クボ桂汰様(イラストレーター)

オススメするコメント
「どんなことがあっても、静かに、しのぐんだ。そしたら、時が解決する」
主人公・与志の親友ロバは、そう言った後さらにこう続けます。
      
「何かの映画のセリフに、時は、解決してくれるんじゃない。
時は、忘れさせてくれるんだってのがあったけど、
俺は、時ってのは、忘れさせてくれる力も持つと同時に、
やっぱり、何かを解決する力を持っているって思うんだ」
       
大切な人との別れは、時を経ても忘れることは出来ません。
むしろ時と共に鮮明に、心の奥深くへと生き続けていきます。
だからこそ、愛する人との別れに潔く立ち向かっていく姿は、
切なくて、哀しくて、優しくて、心に痛みを感じます。
       
「どんなことがあっても、静かに、しのぐんだ」
その潔い決意が、静かな勇気を与えてくれる物語です。

オススメ人の情報
WEB
http://www.geocities.jp/kubokeitata/

著者などの情報
宮本 輝

更新日
04/08/2015