777.OVERPAINTED PHOTOGRAPHS(HATJE CANTZ VERLAG)

オススメする人
江森丈晃様

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選書のお題が大海原すぎるので少し悩みました。
でも、活字が入ってこないほど疲れている自分を想像したら、この画集になりました。
リヒターはたくさんの作風を持つドレスデン出身の巨匠ですが、この作品集に収められた「Overpainted Photographs」は、スナップを下地にしたペインティングのシリーズです。
たとえば、赤や青の隙間から覗くフィレンツェの人ごみ。紫の雨に壊れゆくピサの斜塔。ここには「写真+油彩」という技法で描かれた作品ばかりが並んでいます。
意識の継ぎ目に染み入る爛然……水晶体泣かせの奥ゆき……ダムのヘリに立つことにも似た畏怖……ここから受け取る「非日常」を文章で伝えるのはなかなかに難しいのですが、無論、この本を選んだ理由は「活字が面倒」なだけではありません。
それは、思いつきさえすれば自分でもできたであろう「発明」の眩しさに、腹の底からヤル気になるためです。 

オススメ人の情報
WEB
http://www.tonetwilight.com/

著者などの情報
Siri Hustvedt
Uwe M. Schneede (著), Botho Strauss (著), Markus Heinzelmann (編), Michael Robinson (訳)

更新日
01/28/2015